転職ドラフトのレジュメの審査マンとして日々考えていること
昨年(2017年)の 11月にリブセンスの転職ドラフトチームにジョインして 2か月経った。まだ 2か月しか経ってないのかよー、と思うくらい、とても濃い日々を過ごしている。
そのなかで、転職ドラフトのレジュメの審査もやっている。
先日、下記の記事が出て、それを読みながら、審査メンのひとりとして、日々どんなこと考えているのか自分の口からも伝えておきたいなーと思った次第。
ペパボのエンジニア評価制度を思い出す
転職ドラフトに提出されたレジュメを見ながら、思い出すのは前職の GMO ペパボにいたときのエンジニア評価制度。
いつだったかこのブログにも書いたけれど、ペパボのエンジニア評価は、社内の全員が見ることができる公開リポジトリ(GitHub Enterprise)の、プルリクエスト上で行っていた(たぶん現在もそうなのではないかと予想)
被評価者は、何をやるつもりか(目標)、何をやったか(実績)などを書き、評価者は面談のうえ、評価結果を書く。
自由に他の人の評価資料(プルリク)を見ることができる(むしろ奨励されている)ので、自分の場合はだいたい毎期30人くらい(いや、もっとかな?)の評価資料を見て、ああすごいなと思ったり、一緒に仕事をして感じたことなどをコメント(主に他薦的なもの)したりしていた。
いまになって思えば、たくさんの人の評価資料に目を通しておいて本当によかった。
ひろやんとの思い出
あと、GMO ペパボには、ひろやん([twitter:@hiboma])という、エンジニアの鑑みたいな優秀なエンジニアがいて、周りの人たちを引き上げるのが本当に上手かった。
評価は半期ごとでスパンが長いので、もっと短く 1か月単位で有志のふりかえり会を開いてくれたり、評価資料の相談 1 on 1 などをしてくれたりしていた。
(小さくはじめて、それを少しずつ広げていく、という手法のお手本みたいな人だった)
僕はペパボ社内でも、ベテランというカテゴリーに含められていたと思うけれど、それでも評価資料をひろやんに見てもらって、面談してもらうなかで「自分の強みが何で、それが評価資料から伝わるか?」という点がどんどん引き出され、格段に精度が増していくのを何度となく経験した。
転職ドラフトのレジュメを見ながら感じていること
さて、前置きがとても長くなったが、転職ドラフトのレジュメを見て感じることのうち、圧倒的に多いのが「もったいない」である。
自分が転職ドラフト運営にジョインしたのは「実力が正当に評価される世界をつくる」というビジョンに強く共感したからだ。そしてチームの皆が本気でそう考えていると思ったからだ。
そして、実力が正当に評価されて、エンジニアも企業も Win-Win な世界を実現するためには、評価される対象のレジュメが「実力が判断できるもの」になっていなければならない。
しかし。
この人、やってることはすごそうな感じがする。しっかりした思考ロジックに基づいてこれをやっているんだったら、とてもすごいし尊い。だけど、ただなんとなくやっているんだったら、転職先の職場ではバリューは出せないかもしれない。うーん、どっちなんだろう?
この人、たぶん現場ではすごいんだろうな、いや、きっとすごいよ、そんな「匂いがする」。だけど、そのすごさがレジュメでは明示されていないよ。書かれていないことを審査の判断材料にすることはできないよ...
そういうもどかしい思いを抱えながら「ほんとうは(本気出せば)もっと書けるでしょう?」と思いながら「不合格」のボタンを押す。
2018年1月14日 追記
はてブのコメントを眺めていて、ああ、審査って「合格」「不合格」のボタンを押しているだけと誤解させてしまったかなと思ったので補足しておく。
転職ドラフトの審査というのは、単に「合格」「不合格」ではなく、まさしくコードレビューさながらに、「ここの箇所、xxx なので、もっと背後の思考ロジックやこだわったポイントなどについて、記載できることがあれば追記してほしい」とか「全体的に記載内容が足りずに実力が判断しきれなかったので、xxx」とかフィードバックしている。
(GitHub のプルリクエストのように、行レベルに対しても、全体に対してもフィードバックできるし、している)
そして、そのときにも、たまに、ひろやんのことを思い出したりする。あの人は、こうやって、その人の良さが伝わるように、引き出してくれていたよな、とか。
レジュメでの表現力、説明力も実力のうちだし、レジュメからその人が過大に評価されるのは避けなければいけない(企業にとってマイナス)ので、そのあたりは気を付けているけど、「僕はあなたのこと、実力がある人だと思うんだ。そういう匂いがするんだ。だけど、このままじゃあ伝わりにくいんだ。だから、もっと、もっと...」という想いが高まりすぎて、すごく、あ、これ、もしかしたら鬱陶しいと思われるかな... という厚め(熱め)のフィードバックをしてしまうときもある。
そんななか、
転職ドラフトのレジュメの審査マンとして日々考えていること - 彼女からは、おいちゃんと呼ばれています
- [!!]
審査不合格だと、レジュメへの細かな指摘コメントって貰えないの?合格だと、この部分をもっと詳しく書いた方がいいとか大変細かく指摘してくれて最&高だし、すなわちトップブコメ何言ってんの状態なんだけど。
2018/01/14 09:39
というコメントをふと見つけて、なんだか救われた気持ちになった。レジュメへのフィードバックについて最&高と表現してくれてありがとうございます。
大丈夫です、審査不合格の場合もフィードバックしています。むしろ、不合格の場合でのフィードバックが主です。
(逆に、合格の方へのフィードバックをするときは、「あなたに実力があることは分かったし、審査の基準は優に満たしているから、そりゃあ通しますけど、でも、あなたなら、もっと書けるでしょう?」という想いで書いていることが多いですw)
レジュメを書いている人へ
自分自身、転職ドラフトのユーザーで、レジュメを書く大変さは分かっているつもりだし、ちょっとお試しで登録したユーザーだってたくさんいることも知っている。
だけど、自分の実力がが正しく評価されたいと思っている人は、ぜひ「このレジュメから自分の実力がわかる?」と読み返してみてほしい。審査中も審査通過後も、何度でも編集できるので、どんどんブラッシュアップしてみてほしい。
ちょっとレジュメの書き方よく分からん、という人には下記の記事が参考になると思う。
転職ドラフト開催まであと5日です!
— 転職ドラフト (@tensyoku_draft) 2018年1月12日
まだレジュメを書き終えていない方は、土日にぜひ書いてみてください!
今までの審査に関する記事をお悩み別に整理しましたので、こちらも参考にしてみてください( ´∀`)https://t.co/fhClS1Vlsr
あと、周りの信頼のおける人に自分のレジュメを見てもらうことを強くお薦めしたい。先のひろやんの例にあるように、他の人からレビューしてもらうことによって、内容が格段に良くなることはあると思う。
(コードレビューによってコードの品質がどんどん良くなるのと共通しているものがあると考えている)
2018年1月14日 追記
そして、このエントリー自体も、はてブでいただいたコメントによって、だいぶ追記することになったし。
ああ、たしかに、ちゃんと書かないと、審査って「合格」「不合格」のボタンを押しているだけだと、誤解させてしまうよな、と反省。コメントありがとうございました。
(インターネット最高だな)
おわりに
ちょっとなー、「日々考えていること」とひとり言の体を取りつつ、最後、少し押しつけがましくなっちゃたかなーとは思いつつも、それでもやっぱり、本気で自分の実力が評価されたいとと考えている人には、ぜひそうなってほしいと思うのですよ。転職ドラフトは唯一それが実現できるプラットフォームだと思うから。
ユーザーが大変な思いをしてレジュメを書いて、それを企業が大変な思いをしてレジュメを見まくって、ひとつひとつ丁寧に指名文書いて、それでようやく、そのうちの一部が Win-Win な結果になるという、こんな大変なサービス、他になくないですか?と中の人ながらほんとにそう思っている。
各位、次のドラフトは 1/17(水)開催ですよー、レジュメ書くなら今週末が勝負ですよー(がんばってー)