おいちゃんと呼ばれています

ウェブ技術や日々考えたことなどを綴っていきます

20代前半の優秀なエンジニアには転職ドラフトを見せないほうがいい

ウェブ企業の人事担当には耳の痛い話をする。人事担当なら皆知っているだろうけど、できるだけ目を背けたい話。

先日 日本人エンジニアの給料が上がらない理由 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online という記事を読んだ。

  • 中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)が日本で大卒エンジニアを「初任給40万円」で募集して話題を集めた
  • 厚生労働省の調査によれば日本の大卒初任給の平均は約20万円(2017年)
  • ファーウェイ本社のエンジニアの初任給は、日本円で月額約83万円
  • ファーウェイに限らず、中国のハイテク企業のエンジニアの給料は軒並み高い。この20年間で ICT のエンジニアが圧倒的に不足して、エンジニアの給与水準が世界共通になった

この記事を読んで、ふと頭をよぎったのは 外国のハイテク企業が転職ドラフトに参加したら、どうなってしまうんだろう? ということ。

20代前半のエンジニアの年収の上がり幅がヤバい

さて、転職ドラフト経由で採用が決まると、運営チームのチャットツールにその内容が流れてくるの で、それを毎日眺めているんだけど、年収の上がり幅が特に目立つのは、やはり 20代前半のエンジニア。200万とかザラに上がっている。

(べつにイベントの宣伝のためにこのエントリーを書いているわけではないけれど、このあたりの数字的な話とかにも、今度のイベントで触れられる予定 - Inside 転職ドラフト #1

上がり幅が大きくなっている理由

上がり幅が大きくなっている理由として考えられるのは、まず彼らが優秀であること。前職の GMO ペパボと、現職のリブセンスで、直接なんらかのやり取りがあった新卒エンジニアは、合わせてせいぜい 20名くらいだけど、皆とても優秀だった。新卒2年目、3年目にもなると、戦力になるどころかチームの中心になっていたりして、本当に頼もしかった。

もちろん皆一律というわけではなくて、中には飛び抜けて優秀な人が毎年ひとりくらいいて、正直こわいくらいだった。

にもかかわらず、優秀な彼らも、あるいはその中でも飛び抜けて優秀な彼らも、給与面で優遇されていたかというと、一律の初任給からスタートして、2年目にもドーンとジャンプアップしている印象はなかった(正確に把握しているわけではないので歯切れの悪い表現になってしまった)

転職ドラフトから見えてくるもの

と、ここまでは前職と現職の話をしてきたけれど、転職ドラフトの運営にいると、もっと多数の事例をみることができて。

20代前半でも優秀なエンジニアはたくさんいるし、その人たちが決して高くない年収で働いていた事例もたくさん見る。

不幸だと思うこと

彼らは転職によって、年収がドーンと上がって。

それで、めでたしめでたしだね、...とは思わない。

転職先の仕事内容がどうしてもやりたかったことならば、それは喜ばしいことだけれど、僕が不幸だと思うのは、本当はやりたいことは現在所属している企業にあるのに、年収によるミスマッチによって転職を余儀なくされるというケース。

そういうのはとてももったいないと思う。特に転職元の企業にとって。

転職ドラフトやそれに類似するサイトなどによって、誰もが容易に自分の市場価値を知ることができるようになった。

企業としては、これまでの給与体系では通用しなくなりつつあるのではないかと思う。今後早急に見直しを迫られるだろう。

サイバーエージェントの例

少し前にサイバーエージェントの例が話題になっていたけれど。

エキスパート認定 最低年俸720万円~(60万円/月~) ※高度な技術や実績、成果をお持ちの方が対象

おそらくこういう事例は今後増えてくる。外国企業などの動きも踏まえると、少しずつではなく、急激な変化が訪れると考えられる。

まとめ

そんなわけで、勝手なことを言うけれど、ヤバい現実がもう、すぐそこまで迫ってきているので、各社の人事担当者及び人事担当役員におかれましては「優秀なあの子が転職ドラフトで転職しちゃったわー!転職ドラフト、ファ〇ク!!」となる前に、貴社のためにも、優秀な若手エンジニアの給料を早急に見直してあげてください(というか、弊社もだぞ)