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Linux コマンド説明付きで、さくら VPS へ Git をインストールしてみた(CentOS 5.5 - 64bit)

さくら VPS を利用しはじめて最初に何をやったかというと、何はともあれ作業ログを記録(というかバージョン管理)したかったので、Git をインストールしました。

しかし、さくら VPS の標準 OS である CentOS 5.5 - 64bit のデフォルトの状態では yum リポジトリの中に Git のパッケージが入っていないため、

||

yum install git

||<

と単純に yum install コマンドを実行しても

|| No package git available. Nothing to do ||<

と返されて Git をインストールできず、ひと手間加えてあげる必要があります。以下、手順をまとめてみましたので、よろしければ参考にしてください。

**(2011年6月4日 追記

実は Git に加えて etckeeper というツールを使うと、/etc 配下を自動的にバージョン管理できてすこぶる便利です。紹介記事を書きましたのであわせてどうぞ。

-それ etckeeper でできるよ - /etc 以下を Git で自動的にバージョン管理 <<

*目次

+Webtatic リポジトリの内容を確認 +Webtatic リポジトリのインストール +Webtatic リポジトリ設定ファイルの確認 +Webtatic リポジトリから Git をインストール +おまけ - Git の参考書籍(入門書) <<

ただし、同じような内容の記事が既にいくつかあり、フツーに書いても面白くないので、Linux コマンドの説明も加えてみました。Linux 初心者の方や、Linux コマンドの意味をきちんと理解しながら手を進めたいという方に読んでいただければと思います。

なお、さくら VPS の OS 及び今回の手順でインストールされる Git のバージョンは次のとおりです。

CentOS 5.5 x86_64(標準 OS) git x86_64 1.7.5.1 <<

*1. Webtatic リポジトリの内容を確認

まずは Git をインストールするための準備段階として、Git パッケージを含むリポジトリを追加する必要があります。RPM Forge リポジトリからも Git をインストールできますが、Webtatic リポジトリからのほうが簡単そうだったので Webtatic のほうを選びました(詳細は、エントリー下部の「参考サイト」参照)。

以下、すべて root ユーザでコマンドを打ってください。

|| $ su -(半角スペースを空けてハイフン) $ password(パスワードを入力) ||<

で root ユーザになることができます。

Webtatic リポジトリrpm パッケージなので、rpm コマンドでいきなりインストールすることも可能ですが、-qpl オプションを付けて実行すると、パッケージに含まれるファイルのリストを表示できます。どこにどんなファイルがインストールされるのかをざっと眺めておくと、トラブル時に意外と役に立ちます。

||

rpm -qpl http://repo.webtatic.com/yum/centos/5/latest.rpm

||<

rpm コマンド) :-q オプション(query の略):パッケージの情報を表示する。当該パッケージが既にインストールされているかどうか調べるときにも使う :-p オプション:(インストールされていない)パッケージを検索する。URL 形式で指定可能 :-l オプション:パッケージ内のファイルを表示する

|| (出力結果) warning: ... signature: NOKEY, key ID xxxxxxxx /etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-webtatic-andy /etc/yum.repos.d/webtatic.repo /usr/share/doc/webtatic-release-5 /usr/share/doc/webtatic-release-5/GPLv2 ||<

上記のように key がない旨の警告が表示されますが、Webtatic リポジトリから Git をインストールするときに key も併せてインポートできるので問題ありません。

-【 RPMパッケージをインストールする 】 | 日経 xTECH(クロステック) -【 rpm 】 RPMパッケージをインストール/アンインストールする | 日経 xTECH(クロステック)

*2. Webtatic リポジトリのインストール

rpm -i コマンドで rpm パッケージをインストールできます。-v オプションで詳細な情報を出力し、-h でインストールの進行状況を表示できます。

||

rpm -ivh http://repo.webtatic.com/yum/centos/5/latest.rpm

||<

rpm コマンド) :-i オプション(install の略):パッケージをインストールする :-v オプション(verbose の略):詳細なログを表示させる :-h オプション(hash mark の略):インストールの進捗状況を表示させる

|| (出力結果) warning: /var/tmp/rpm-xfer.JhDMCy: Header V3 DSA signature: NOKEY, key ID cf4c4ff9 Preparing... ########################################### [100%] 1:webtatic-release ########################################### [100%] ||<

なお、既に入っている rpm パッケージをアップグレードする場合は rpm -U コマンドを使います。

|| (既に入っているパッケージをアップデートする。入っていない場合は新規にインストールされる)

rpm -Uvh http://repo.webtatic.com/yum/centos/5/latest.rpm

||<

念のため、きちんとインストールされたことを確認しておきましょう。

||

ls /etc/yum.repos.d

||<

ls コマンドでディレクトリ内のファイル一覧を表示させて、

|| webtatic.repo ||<

が出力結果に含まれていたら Webtatic リポジトリのインストール成功です。

-【 ディレクトリ内のファイルを一覧する 】 | 日経 xTECH(クロステック) -【 ls 】 ファイルやディレクトリの情報を表示する | 日経 xTECH(クロステック)

*3. Webtatic リポジトリ設定ファイルの確認

vi で Webtatic リポジトリの設定ファイルを確認しておきます。

||

vi /etc/yum.repos.d/webtatic.repo

||<

|| [webtatic] name=Webtatic Repository $releasever - $basearch

baseurl=http://repo.webtatic.com/yum/centos/5/$basearch/

mirrorlist=http://repo.webtatic.com/yum/centos/5/$basearch/mirrorlist enabled=0 gpgcheck=1 gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-webtatic-andy

[webtatic-debuginfo] name=Webtatic Repository $releasever - $basearch - Debug

baseurl=http://repo.webtatic.com/yum/centos/5/$basearch/debug/

mirrorlist=http://repo.webtatic.com/yum/centos/5/$basearch/debug/mirrorlist enabled=0 gpgcheck=1 gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-webtatic-andy

[webtatic-source] name=Webtatic Repository $releasever - $basearch

baseurl=http://repo.webtatic.com/yum/centos/5/SRPMS/

mirrorlist=http://repo.webtatic.com/yum/centos/5/SRPMS/mirrorlist enabled=0 gpgcheck=1 gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-webtatic-andy ||<

上記のように

|| enabled=0 ||<

となっている場合は、yum コマンドを実行するときに Webtatic リポジトリが有効になっていません。Webtatic リポジトリを有効にするためには、

|| enabled=1 ||<

と編集するか、yum コマンド実行時に

|| --enablerepo=webtatic ||<

を付ける必要があります。ただし、リポジトリを追加したことをいつも覚えているとは限らないので、明示的に追加リポジトリを有効にする後者の方法のほうが僕は良いと思います。今回も後者の方法をとりました。

*4. Webtatic リポジトリから Git をインストール

yum install コマンドでパッケージをインストールできますが、前述のように Webtatic リポジトリを有効にするためには

|| --enablerepo=webtatic ||<

を付ける必要があります。

||

yum install --enablerepo=webtatic git

||<

|| (出力結果 抜粋) warning: rpmts_HdrFromFdno: Header V3 DSA signature: NOKEY, key ID xxxxxxxx webtatic/gpgkey | 1.6 kB 00:00
Importing GPG key xxxxxxxx "Andy Thompson andy@webtatic.com" from /etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-webtatic-andy Is this ok [y/N]: y ||<

途中で、key がない旨の警告が表示されますが、

|| Is this ok [y/N]: y ||<

と回答すると key がインポートされるので問題ありません。なお、

||

yum -y install --enablerepo=webtatic git

||<

と -y オプションを付けると、問合せがあったときにすべて「y」と答えるやり方でコマンドを実行できますが、僕は確認しながら手を進めたいのでいつも使っていません。

くどいようですが、きちんとインストールできたかの確認も兼ねて、バージョンを確認しておきます。

||

git --version

git version 1.7.5.1 ||<

以上で Git のインストールは完了です。

-【 yum 】 パッケージを取得してインストール/アップデートをする | 日経 xTECH(クロステック)

ではでは。

*5. おまけ - Git の参考書籍(入門書)

ちなみに、Git 自体の参考書は下記の 2冊がオススメです。『入門 git』のほうが易しいので、こちらで Git の基本操作を身に付けた後、もう少し実践的に使いたいときに『入門 Git』のほうに進んでみるのが良いと思います。

入門git

入門git

入門Git

入門Git

*このエントリーのつづき

-それ etckeeper でできるよ - /etc 以下を Git で自動的にバージョン管理

*参考サイト

-CentOS に etckeeper をインストール - miauの避難所 -Linuxコマンド集 INDEX | 日経 xTECH(クロステック) -Linuxコマンド逆引き大全 Index | 日経 xTECH(クロステック)